営業のクロージングとは、
契約を取ることではなく「相手の結論を理解すること」です。
本記事では、営業のクロージングの正しい進め方や、
「検討します」で終わらせない具体的なコツを解説します。

クロージングの本当のゴールは「結論の理解」
クロージングのゴールはシンプルです。
👉 相手の結論を正確に理解すること
・なぜ契約するのか
・なぜ契約しないのか
この理由が明確になっている状態で商談を終えることが重要です。
よくある失敗
- なんとなく断られる
- 「検討します」で終わる
- 理由がよくわからない
これでは営業として何も残りません。
なぜクロージングで失敗するのか?

原因はひとつです。
👉 課題から話がズレているから
クロージングでは必ず、
👉 ヒアリングで合意した「課題」に戻し続ける
必要があります。
例
「この課題を解決したいんですよね?」
「そのためにこのサービスを提案していますよね?」
ここに戻すだけです。
クロージングの基本スタンス
成約するかどうかは結果でしかありません。
大事なのは、
👉 納得して終わること
例え話
「ダンスが上手くなりたい」と言っている人に対して
👉「じゃあなんでレッスン通わないんですか?」
この会話をするだけです。
「検討します」の正しい対応

営業で最も多いのがこのパターンです。
👉「検討します」
ここで止まる営業は確実に失注します。
重要なことは「検討します」という言葉に真正面からぶつからないことです。
やってはいけないこと
- 「何を検討するんですか?」と詰める
- そのまま引く
- 後日連絡で終わる
正しい進め方(順番が重要)
① 誰が決めるのかを明確にする
👉「最終的に決めるのはどなたですか?」
これが最優先です。
②決裁者への対応
もし、相手が決裁者だった場合
理解できているかを確認する
👉「ご不明点はございませんか?」
ここで重要なのは
- 理解できているのか
- 理解できていないのか
を明確にすることです。
なぜ重要か?
人は
👉 理解できないと判断できない
からです。内容が理解できていない状態で「検討します」と言われているのか、理解はできているけど「検討します」と言われているのかは全く別の話になるからです。
③ 不明点をその場で潰す
👉「このあたり少し分かりづらいと思うのですが、大丈夫そうですか?」
ポイントは
👉 先回りして聞くこと
営業マンが自社サービスを理解していれば、
👉「どこが分かりづらいか」は必ず分かるはずです
「検討」の正体はほぼ4つ
実は検討理由はほぼパターン化されています。
- コスト
- タイミング
- 手間・面倒
- サービスや商品特有の懸念事項
👉 ほぼこの4つしか出ません
重要ポイント
👉 事前に切り返しを準備しておく
具体例(コスト)
月額3万円の勤怠システムを提案した場合、
相手はこう考えます。
👉「3万円あったら他に何に使えるだろう」
しかし
👉「導入で人件費が月15万円削減できる」
と説明できればどうでしょうか?
👉 導入しない理由はなくなります
つまり
👉 比較される前提で設計することが重要
非決裁者(担当者)への対応
ここが一番失敗が多いポイントです。クロージングで最も重要な質問
👉「もしあなたが決められる立場なら、やりますか?」
なぜこれが重要か?
決裁者ではない人に提案している場合、
👉その人がYESでなければ100%決まりません
NGパターン
- 「では検討お願いします」で終わる
- 次回連絡だけ約束する
👉 これでは絶対に決まりません
正しい進め方
① 担当者を「協力者」にする
👉まずこの人をYESにする
「もしあなたが決裁者ならやりますか?やりませんか?」ということです。
② 決裁者への導線を作る
👉「直接お話しさせていただくことは可能ですか?」
③ 無理な場合はここまでやる
- いつ相談するのか
- どんな反応が返ってきそうか
- 何を懸念する人か
④ 武器を渡す
👉「こう聞かれたらこう答えてください」
担当者が決裁者に対してプレゼンテーションを行うわけですから、懸念事項が出てきたときにその場で潰してもらえるように対策しておくことが重要です。
実例(成約につながったケース)
関係者を味方にすることで成約率は大きく変わります。
実際に、
👉 関係者を協力者にしたことで1億円の契約が決まったケースもあります
実例:決裁者を動かすクロージング(1億円の契約が決まった話)
実際にあった話です。
私が以前、土地活用の営業をしていたときのことです。
この業界は少し特殊で、
**決裁者は土地の所有者=高齢の方(おじいちゃん・おばあちゃん)**であることがほとんどです。
一方で、アパート経営などの恩恵を受けるのは、
👉 その子供世代(息子・娘)
なんですよね。
■ 登場人物の構図
今回の案件はこんな状況でした。
・決裁者:おじいちゃん(かなり頑固)
・協力者:長女(相続対策を早く進めたい)
長女はこう思っていました。
👉「お父さんが元気なうちに、ちゃんと対策しておきたい」
つまり、
👉 **完全にこちら側の“協力者”**です。
■ しかし、決裁者が動かない
長女からおじいちゃんに話をしてもらったところ、
おじいちゃんは一言。
👉「わしはそんなもんやらん」
完全拒否です。
普通の営業ならここでこうなります。
・説得しにいく
・資料を増やす
・メリットを強く伝える
でも、これはすべて間違いです。
■ やったことは“説得”ではない
私は長女にこうお願いしました。
「今度、支店長を連れていくのでアポだけ取ってください」
そして、もう一つ質問しました。
👉「おじいちゃんの好きな食べ物は何ですか?」
答えは
👉「蕎麦です」
■ 仕掛けたこと
そこでこうお願いしました。
「では、美味しい蕎麦を買ってくるので、
アポの1時間前におじいちゃんに出しておいてください」
「そして商談のときに、
“さっきの蕎麦を買ってきた人です”と紹介してください」
■ 当日
アポ当日。
長女が事前に蕎麦を出してくれていました。
そして商談の場で、
👉「さっきの蕎麦、この人が買ってきてくれたんだよ」
と紹介されます。
その瞬間、おじいちゃんの態度が変わります。
最初
👉「わしはやらん」
↓
その後
👉「話くらいは聞いてやるか」
ここから初めて、
👉 営業が成立する状態になります。
■ 結果
👉 その場で1億円の契約が決まりました

■ この事例の本質
この話を聞くと、
「テクニックすごいですね」と言われることがありますが、
本質はそこではありません。
重要なのはこれです。
👉 決裁者は“論理”ではなく“感情”で動くことがある
そしてもう一つ。
👉 人は“好きな人の話”は聞く
この状態を作らずに、
・資料を説明する
・メリットを伝える
これをやっても、
👉 そもそも聞いてもらえない
んです。
■ クロージングでやるべきこと
だからクロージングで重要なのは、
👉 無理やり決めさせることではない
👉 決裁者が“前向きに検討できる状態”を作ること
そのためにやるべきは、
・関係性を整える
・心理的ハードルを下げる
・話を聞く姿勢を作る
そして最後に、
👉 課題に戻す
「今回の課題って〇〇でしたよね?」
「その解決策としてこの内容なんですが、どう思われますか?」
ここまで来て初めて、
👉 “決めるかどうか”の話ができる状態になります。
■ まとめ
この事例から学べるのはシンプルです。
・クロージングは“説得”ではない
・決裁者の心理を動かすことがすべて
・そのためには関係性と流れが重要
そして何より大事なのは、
👉 プロセスを外さないこと
ヒアリング → アプローチ → プレゼン → クロージング
この流れの中で、
👉 正しく積み上げた結果が「契約」
です。
クロージングの本質まとめ
クロージングでやることはたったこれだけです👇
- 課題に戻し続ける
- 理解を確認する
- 不明点を潰す
- 判断理由を明確にする
- 決裁者を押さえる

成果を出すための営業の考え方と全体像を解説
成果を出すための土台となる準備方法
数十秒で決まる第一印象と突破方法
課題の合意を取るためのヒアリング手法
課題に対して最適な提案を行うプレゼン手法
受注を決めるための最終フェーズの考え方


コメント